星になったクルフィ(7月7日・土曜日 by 管理人)
今日は七夕祭りですね。
私の育った大阪府交野(かたの)市は、七夕伝説が色濃く反映された【星の里☆】。 市の中心を流れる川の名前は【天の川】、その川に架かる橋は【逢合橋(あいあいばし)】、我が家から徒歩5分の距離にある氏神様の【機物(はたもの)神社】は織姫様を祀った神社です。 ◆交野星の町観光協会 http://www.katano-kanko.com/ 交野市にはロマンチックで壮大な歴史ミステリーがあります。 この私の(!)氏神様、【機物神社】はこと座のベガを地上に写した場所に位置しているのです。 【天の川】と【機物神社】の位置関係を調べると、交野天神社(かたのあまつかみのやしろ)を北極点として基準にした西暦535年の星図が地上に描かれていることがわかります。 ◆宇宙(そら)の記憶 http://murata35.cool.ne.jp/soranokioku/soranokioku02.htm そんな土地ですので、今日の七夕祭りも盛大にお祝いされていると思います。 さて、当初の出張予定を繰り上げて早めにパキスタンに戻って参りましたが、私を待っていたのは クルフィの訃報でした...。 中国新疆ウイグル自治区への出発の朝、徹夜明けでドタバタしながら荷造りをして、身支度をしていると...。 スーツケースの中に入ってこちらをじっと見ているクルフィが居ました。 まるで「どこいくの?クルフィも一緒に行きたい。」と言っているような姿。 その後はじっと目をつぶって、スーツケースの中でじっとしていました。 この写真を旅先で何度眺めたことでしょう・・・。 会社からの電話でクルフィの具合が良くないと聞いた時に、寂しい予感が胸を過ぎりました。 嫌な夢も見ました。 今回予定を繰り上げて帰ってきたのは、政府観光省のイベント準備の為と、現在報道を賑わしているイスラマバードの「ラールマスジッド」の件での日本からのお問い合わせに対応するためというのが大義名分なのですが、私の中では「一刻も早くクルフィに会わないと...」という思いもありました。 クルフィは私達が出発した後は、社長の提案で飼育係の「鳥のフェイサル」の家で御世話になっていたのですが、寂しさのあまりでしょうか食べ物も水も受け付けなくなってしまったそうです。 困り果てた「鳥のフェイサル」が病院に連れて行ったのですが、結局回復することなくそのまま短い生涯を閉じてしまったとのこと。 当地の動物病院の体制(動物病院と言っても、メインは犬の売買で、敷地の大半のスペースは販売用の大型犬を繋いだ檻。衛生状態は劣悪で、ちゃんとした医療器具も無く、医師の資格も無さそうな自称医師が面倒を診ているのみです。)や、また飼育係を含めてパキスタンの人達の動物に対する感覚(家族の一員というよりも持ち物であるという感覚)で、実際にクルフィが何日に息絶えたのかも誰も把握していないようですし、遺体もどうなったのかわかりません。 せめて事務所で面倒をみていれば、クルフィも知っているスタッフ達も沢山居るし、寂しい思いをしなかったかもしれない...とか色々と「もしも」を考えてしまいますが、社長としても良かれと思って犬に詳しい飼育係に任せることを提案してくれたのですし、きっとお医者様だって最善を尽くしてくれたのでしょうし、どんなに嘆いてもクルフィが生き返るわけではないですし...。 でも私は本当に悪いことをしたと悔やんでいます。生後3ヶ月でもらわれてきて、私達が3番目の飼い主だと聞いていたので、環境の変化には慣れているかと思っていたのですが、多分私がベッタリと密着しすぎたのだと思います。クルフィがもらわれてきた段階で、この中国出張は既に決まっていたことだったので、本当にクルフィのことを考えていたら、まず1日だけ飼育係さんの家でホームステイをさせて環境に慣れさせて、それを1日から2日に延ばし、3日に延ばし...と出発までに環境に慣れさせてあげて、数日あわなくても永遠の別れではないと教えてあげるべきだったと深く反省しました。 結局、私は自分がクルフィと一緒に居たい、という私自身のエゴばかりを押し付けて、クルフィをベタベタ可愛がってクルフィの日常を私一色に染めておいて、さっさと出張に出てしまったのですから...。なんて残酷なことをしてしまったのだろうと申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。 これまでも子犬が成長する過程で、日本出張など長期間事務所をあけたこともあったのですが、その時はぷ~ちゃんもBOXYも生後半年を過ぎていて、食べ物も成犬と同じものを食べられるくらいになっていたわけで、今回のクルフィのように離乳食を一日に5回程食べさせている過程では早すぎたのだと思います。 旅行中も何度もクルフィの様子を尋ねたのですが、多分私への配慮でしょうか、誰も死んでしまったことを教えてくれなくて「病院に預けていてわからない」という返事だったのですが、戻ってきてから「鳥のフェイサル」より死んだことを聞かされて、スタッフの前であるにもかかわらず涙を流してしまいました。 とは言え、人の死が身近なパキスタンのこと。 会社の中には、我が子を事故で一度に亡くした社員も居ますし、つい3週間前には社長のお兄様が心臓発作で急逝したばかり。大家族制度が残っているためか、忌引きで会社を休むスタッフが毎月2~3人居ることを考えると、彼等にとっては「たかが犬ごときで・・・」ということでしょうし、私も我が子を亡くしたスタッフの前で犬が死んでしまったからとメソメソすることは憚られます。 女性だという理由での自由行動範囲の制限、常にスタッフ達が私の行動を逐一把握しているという状況、24時間事務所兼住居での生活、仕事が全く絡まない御友達の居ないパキスタン暮らしにおいて、ワンちゃん達の存在は喩えようもなく大きく、私にとっては親友であり、家族であり、我が子であり、兄弟姉妹であり...本当に大切な存在です。 だからクルフィを死なせてしまった事は本当に哀しく、中国出張に出てしまったことを激しく後悔しました。 スタッフ達の手前、そんなそぶりは見せないようにしましたが、彼等も少し離れた所から私を観察しながら距離の取り方を計ってくれているようで、事務所の中でも私から話しかけない限りはそっとしておいてくれて有難かったです。 夜、残業を終えたスタッフ達が事務所から出て、鍵を閉めて一人っきりになると、涙が止まらなくなって嗚咽しながら号泣する日が続きました。こんなに泣いたら脱水症状で干からびてしまうのではないかと思うくらいに涙が溢れて一睡も出来ない夜もありました。 でも、パキスタンで親しくして下さっている日本人の愛犬家の方々や、日本や海外に居る友達や親戚達が辛抱強く励まして痛みを分かち合ってくれたお陰で、復活できました。今は涙することなくクルフィについて語ることが出来るようになりました。 クルフィと過ごしたのは1ヶ月あまりでしたが、一日一日が愛しいです。忙しい毎日にささくれがちな心に潤いを与えてくれたことに心から感謝しています。そしてスタッフ達から沢山の笑顔を引き出してくれたことにも「ありがとう」と伝えたいです。「ごめんね」と「ありがとう」を1000回伝えても足りないくらいです。 今日は七夕さま・・・。クルフィの魂を氏神様に託して供養したいと思います。 メフィルの読者の皆様の願い事がかないますように...。
by guide_coxpakistan
| 2007-07-07 13:00
| 管理人
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気の会う仲間が集ってチャイを片手に語らう場をウルドゥ語で【メフィル】と呼びます。旅行会社『コックス&キングス・パキスタン』の日本語ガイド達のメフィルへようこそ!!頑張って日本語で語りかけます! by guide_coxpakistan
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